• ホーム
  • ブログ
  • 社交ダンス(競技ダンス)のオリンピック種目採用への道

ブログBlog

2020.05.05

ダンス情報

社交ダンス(競技ダンス)のオリンピック種目採用への道


さあ、東京オリンピック開催まであと一年ぐらいになりましたね。どんな大会になるのでしょう。この暑さをなんとかしないと、屋外競技は地獄になってしまうと思うのですが、大丈夫なのでしょうかね?

さて、社交ダンス(競技ダンス)はオリンピックに出ることはないの?という話をよく聞かれます。今回は、社交ダンスがオリンピック種目に採用されるかどうかについて書いてみたいと思います。

※これを書いたのは2019年夏でした。2020年5月現在は、コロナウィルスの影響で1年後に延期されてします。2021年夏のオリンピックはどうなっているでしょうか・・・

社交ダンスの競技=競技ダンス

社交ダンスを競技形式で競うのを競技ダンスと言います。キンタローとロペスが出ていたのも競技ダンス大会ですね。別名ダンススポーツとも言います。
世界中で踊られていて世界大会もありますので、オリンピック種目に採用されてもおかしくありません。
しかし、今のところ社交ダンスがオリンピック種目に採用される動きはありません。2020年東京オリンピックの追加種目に名乗りを上げましたが、歯牙にもかけられずに落選してしまいました。
さて、今後オリンピックの正式種目として採用される可能性はあるのでしょうか?

結論から言うと、ない! です。

ほぼ100%無理だと思います。
以前はオリンピック採用に積極的には働きかけていたWDSFやJDSFといった組織も近年はあまり力を入れていないように見えます。

なぜなんでしょうか?、、
なぜ採用される可能性がない、と言えるのでしょうか?

オリンピック種目の採用基準

オリンピックに採用される基準はどのようなものがあるのでしょうか?

「男性は少なくとも75か国、4大陸で、女性は少なくとも40か国3大陸で広く行われている競技のみ」

というのが大きな基準の一つになっているようです。

またそのスポーツにおける「最上の選手の参加」も大切な基準であり、プロリーグが存在するスポーツではその実現が難しいことが挙げられます。
さらに競技についての支配力が国内団体にあるのか(プロとアマの対立等の問題にも関わることが多く、IOCによるコントロールが及ぶか)という点が検討される。

以上のような事が重視されるようですね。

社交ダンスの問題点

社交ダンスにおいては、1つの問題にプロとアマの対立ですね。

社交ダンスの競技組織は、世界的には大きく分けると「WDC」と「WDSF」の組織があり一枚岩ではありません。以前は、WDCがプロ組織、WDSFがアマチュア組織だったのですが、現在はWDSFもプロ組織を持っていますので、社交ダンス界が2分化しているのは問題となるでしょう。

ただこれらの組織の事はあくまで基準の一つであるようで、必ずしも1枚岩ではなくても良いようです。例えば、ボクシングの組織のように、プロの組織が複数あり、アマチュアの組織がある場合でもオリンピック参加種目になっている場合もあります。
ボクシング競技にプロの世界王者が参戦か? 東京五輪で日本もプロの参加を解禁!

 

では、社交ダンスは一体何が問題なのでしょうか。

  1. 組織の問題
  2. 不明瞭なジャッジ基準
  3. テレビ受けするか

この3つに他なりません。

①は先に述べた通りです。組織が2分している上に、オリンピックに参加の意思が統一されていないのは大問題です。

②も問題でしょう。競技ダンスのジャッジは、あくまで主観基準であり、見ている人たちを納得させられません。

⇒競技ダンスのジャッジシステムの問題

そして最大の問題は③のテレビ受けしないことです。
テレビ受けしないとはどういう意味でしょうか。
それは、「一発逆転、ドラマチック性がない」、ということなのです。

野球であれば9回裏逆転満塁サヨナラホームラン、フィギュアスケートであれば4回転ジャンプの成功、陸上短距離の世界記録達成。どれも見ていてわくわくします。その競技をやったことがなくても知らない人でも、そのドキドキや緊張、一喜一憂をテレビを通して感じることができるのです。

しかしながら、競技ダンスは違います。ステップ自体に優劣はありません。
後退しなくてはいけないステップを、斜め後ろに下がったりしたとしても、それ自体は何の問題もないのです。
またフィギュアスケートのように、たくさん回転したからと言って点数が上がるわけでもありません。

あくまでジャッジが見て、その種目らしく踊っていて、かつそれが他の人より良さそうかそうでないか、というだけなのです。

こういった競技特性のため、何が起こるかというと、いったん決まった順位がほぼ固定化されます。とくにチャンピオンが落ちることがまずめったにありません。

これが原因で、社交ダンスは芸術の採点であると、言われています。

残念ながらドラマチック性がなく採点に客観性がない競技では、全く見ている人は楽しくありませんね。
1回は楽しめても2度3度みることはないでしょう。
よってこれでは視聴率が取れません。
広告も出してもらえません。
オリンピック組織にお金が入りません。
よって社交ダンスはオリンピックに採用されないのです。

社交ダンス(競技ダンス)の落選

実は、社交ダンスは一度オリンピックの採用種目候補になっているのです。

あまり資料が見つからず、はっきりとした記憶も定かではないのですが、一番盛り上がっていたのでは1995~2000年ぐらいかと思います。

アジアのオリンピックといわれる「アジア競技会1998」に、社交ダンスは公開種目(デモンストレーション)として実施されました。

また、2000年のシドニーオリンピック開会式で、地元のジェイソン・ギルキンソンが振り付けて、オーストラリアダンススポーツ連盟の500組が出演しました。

このころが一番、社交ダンスのオリンピック参加が期待出来て盛り上がっていた時期でした。

 

しかし、その後はあまり芳しい話がありませんでした。

おそらく上述の3つの問題がはっきりとしてしまったため、IOC内で採用の機運が下がってしまったのでしょう。

さらにもって、社交ダンス(競技ダンス)組織の対立も深まっていき、ますます一丸となった活動はできず、採用への道は大変厳しいものとなっています。

というか、事実上無理でしょう。

 

オリンピックへの道

2020年の東京オリンピックにおいても、予備種目として検討の一つに名乗りを上げましたが、マスコミにさえ取り上げてもらえませんでした。

もちろん、こんな不採用の理由を表立って公表されるわけでもないのであくまで推測でしかありません。

が、予備種目として選ばれた際にも、オリンピック組織はしっかりと社交ダンスの大会の調査をし、これを採用した時にどの位の収入につながるかをしっかりと計算しているはずです。オリンピックの商業化が言われてずいぶん経ちますので、この採算性は間違いなく重要視されているでしょう。

 

社交ダンスがオリンピックに採用されるには、視聴率が取れなくてはならない。

そのためにはドラマチックににならなければならない。

それには採点の仕組み自体を変えていく必要があり、それは今の社交ダンス(競技ダンス)とは違った形になる可能性が高いでしょう。

 

社交ダンスがオリンピックに採用されない理由はわかったでしょうか?
現状は、絶対に採用されないと言っても過言ではないと思います。残念ながら、、、